アイルランドワーホリ日記(2022~2023) ~ニート羊は英語で話す夢を見るか?~

我、古今東西の酒を愛する日本羊なり!ワーホリにかこつけてアイルランドでビール三昧。語学学習...?知らない言葉メェねえ。

迷える子羊、ミサへ行く

 土曜日の夜、血迷える羊はミサへ行く決心をした。

 ミサは毎土曜日の19:00から開催されていて、基本的には誰でも参加できる地域イベントとのこと。

 

 ステイ先から教会近くまで一本で行けるバスが通っているとのことで、18時からの夕飯をかきこんでバス停へ向かう。幸運にもバスは3分程遅れが生じていたため余裕を持って乗り込むことができた。

 

 5分程走った後、なぜかバスは本来のルートから外れ、中心街近くのバスターミナルらしき場所に停車した。ミサの時間は刻一刻と迫っており焦る羊をよそに、運転手は座席から立ち上がりこう言い放つ。

 

「ちょっくら飲み物買ってくるわ!二分くらい待ってて!」

 

 動揺を隠せない羊をよそに、他の乗客たちは「ならここで良いから降ろせ」(※正規の停留所ではない場所)などと運転手に交渉し、数人がバスから降りていった。その後運転手は本当に言葉通りその場からいなくなり、バスの中には羊ととある女性だけが残された。エンジンも切られ、窓を叩く雨の音を聞きながら長い2分間を過ごす。

 

「お待たせ!寝ててもよかったのに!笑」

 

 運転手は予告通り、2分後に飲み物を手に持ちながら帰って来た。そこから何事もなかったかのようにバスは走り出し、GPSで監視した限りでは数分後に正規ルートへと戻っていった。適当すぎるぜアイリッシュ…。アイルランドで信じられるのは己のpawのみ!また今日も一つ賢くなってしまった。

 

 ミサ開始5分前ほどに最寄りのバス停に到着し、小雨の中を小走りで教会まで向かう。教会前には信者たちのものであろう車が信じられない規模で路駐されていた。(駐車場作ってあげてくださいお願いします。)入口で「異教徒は去れ。」と言われたらどうしよう…とビクビクと教会に足を踏み入れたが、パブのようなスキンヘッドの確認ボーイはおらず、あっさりと侵入することに成功した。

 

 ※ここからは、異教徒によるレポートなので、敬虔なカトリックの方は見ない方が良いです。同じく異教徒の方&カトリックだけど右の頬を打たれたら尻を差し出すくらいの余裕のある方だけご覧ください。※

 

 粗相が目立たないように、物心がついたばかりであろうちびっ子の後ろを陣取っておく。程なくして神父の入場とコーラス隊による聖歌斉唱?によりミサがスタートした。

 ミサの進行は、神父とコールアンドレスポンス→スタッフによる聖書朗読→その内容をもとに神父が史実や最近のニュースに絡めて説教→神父と一緒に合唱→募金→パン食べる→神父とコールアンドレスポンス、といったような流れになっていた。(うろ覚え)

 

 意外とこちら側が何かアクションすることが多く、立ったり座ったり跪いたりと忙しい。コールアンドレスポンスや合唱は、初めから暗記していないと全く参加できないため、ライト層(そもそもいないだろうけど)そっちのけのコアファン向けになっている。

 

 以前ローマ教皇が訪日した時、教皇のミサはライブ会場みたいだった…というレポを見つけたが、今ならその意味を少しは理解できる気がする。何というかこの会場…得体の知れない一体感があるのだ。ごく一地域の教会(と神父)でさえそうなのだから、教皇レベルとなればそれはもう、ビー○ルズレベルの大御所バンドによる大規模世界ツアーと言って差し支えないだろう。やっぱKYOKOはすごいぜ!

 

 募金は任意。パンは多分異教徒は食べちゃダメ(多分)。ということで後半は席に座って大人しく様子を眺めていた。手前の席のちびっ子たちは終始退屈そうだったが、泣いたり叫んだりはせず偉いなあと思いました。(KONAMI

 

 およそ45分でミサは終了し、その後に特に何かあるわけでもなく各々解散。外の雨は先ほどより威力を増していて、車で帰っていく信者たちが羨ましくてたまらなくなった。だめだ、懺悔室に行かねば…。

 んでもって、全くの異教徒である羊が何故ミサへ行ってきたかというと、羊は密かに地元のゴスペルグループ(男女混声/年齢不問)に参加しようと暗躍していたからだ!

 

 良さげなグループを見繕って参加応募をしてみたところ、土曜日にミサで歌うからよければ聴きにおいでよ!と言われホイホイ参列した次第である。グループは7曲ほど聖歌らしきものを歌っていたが、歌い方が全く聖歌っぽくなくむしろポップス寄りとも言えるほどで、聴きながら天使にラブソングをという映画のライブシーンを思い浮かべていた。なんか謎のソロもあったし。

 グループには2階の専用席が与えられていて、バックはおそらくCD音源、皆の声はマイクで拾って歌い上げるようだ。

 

 今週の木曜日にさっそく体験練習があり、課題曲を歌えるようになったら毎土曜日にこの教会へ歌いに来ることになるだろう。無料でできるアクティビティはありがたいメェねぇ。

 

 音楽活動といえば、ミサの翌日は語学学校のティーチャーが主催するセッション会に呼んでもらい、羊は日本でエレキベースを弾いていたのだが、すでにセッション会にはベーシストがいたため、Darambookaという謎のターキッシュドラムをお借りして参加させてもらった。その際何かがティーチャーの琴線に触れたのか、なんと11/4(金)にパブだかクラブだかでライブに参加させてもらう運びとなった(Darambooka役)。打楽器でライブに出るのは人生初なので気を引き締めつつ大いに練習に励みたいと思う。

 

 ティーチャー曰く、"People will come to dance and we'll take them in a journey with our music."(原文ママ)という、クスリでトリップの隠語か?と思えるような怪しい説明だったが、健全なライブであることを信じたい。

 

 本来の目的であるトラッドが今のところ聴き専と化してしまっているのだが、ティンホイッスルを教えてくれる、という元ヤ○ハ音楽教師だった謎の日本人とも知り合いになったので、手の届くところから少しずつ、少しずつ、気ままに活動の範囲を広げていければと思う。

 

最後に…

 

先生…!!甘じょっぱくてコクのある日本料理が食べたいです……

 

 食に関する最近の唯一の楽しみは、サタデーマーケットで売られている手巻き寿司(€5)についてくるガリを食べること。ひつじは しょうきに もどった!!!(もう限界)

 

 みなさん、火曜日もご安全に!