アイルランドワーホリ日記(2022~2023) ~ニート羊は英語で話す夢を見るか?~

我、古今東西の酒を愛する日本羊なり!ワーホリにかこつけてアイルランドでビール三昧。語学学習...?知らない言葉メェねえ。

そこまでだ、残念だったな!

 先週金曜日にライブがあった。見るほうじゃなくてやるほう。実は日本ではバンド活動をしていてライブの経験は豊富な方だと思うのだが、アイルランド渡航してから初めて人前でやるライブなのでそれなりにドキドキするものである。

 

「どんなジャンルなの?」

と、クラスメイトやホストファミリーとの会話にその話が上ると必ず聞かれる。その度に羊は申した。

 

「私にもわからん。」

 

 そもそも羊は日本ではベースギターを嗜んでいたのだが、気づけばパーカスとしてバンドに組み込まれ、数時間ノンストップの即興演奏の練習に勤しんでいた。リーダー曰く、イベントで<人の一生を表現したい>とのことで、母体の中に生命が芽生えてから最後に棺桶に入って魂が抜けるまでの人生の過程を即興で演奏しろと圧をかけてくる。メンバーのほとんどがアドリブにも対応できるレベルの手練れたちなのだが、残念ながら彼らは(羊も含むが)壁が壊される経験も両親が目の前で巨人に食べられる経験もしていないので、終始困惑顔である。日本で楽器講師をしていた友人でさえ、正解がわからないと苦笑いしていた。

 

 そして迎えたライブ当日…。

 会場になるスペースは川のほとりにひっそりと佇んでいて、テラスでビールで飲んだら気持ちよさそうだな〜などと考えながら会場入りした。

 中はイベント用の貸しスペースのようになっていて、なぜか照明が紫で、この時点でなんか怪しい。

 気を取り直して設営に励む羊。メインは左下のダマブーカ?というトルコ太鼓を使い、それ以外は曲の雰囲気に合わせて細々したパーカスを使い分けていく。リズム楽器は毛すら生えていない初心者なので完全に勘だ。

 

 あらかたのメンバーがリハを終え、羊はある違和感に気づいた。そう、この会場、まさか、酒が…ない…!?

 

 …1万歩くらい譲って演者はいいだろう。2時間ぶっ通しで演奏だし、まあある意味演奏中に酒を飲んでいる余裕もないっちゃない。が、オーディエンスはどうだろうか?このイベントは即興音楽の演奏がメインという訳ではなく、<即興音楽に合わせてオーディエンスが各々自分の望むがままに踊り狂う>ことが主題だ。え、みんなそんなヤバいこと素面で出来んの…????やっぱりこれ、なんかのヤクのパーティーとかなん????

 

 不安を隠せぬまま、設営終了から本番前リハまで1時間程度のお暇をいただき、一旦心を落ち着かせるために逃げ込むようにパブへ。

ただ飲みたいだけだろ?というツッコミは野暮ですぜ。

 ここは最近のお気に入りパブ。現金のみがネックだがローカル感があって(いつも競馬中継やってて)落ち着くのだ。30分ほどで飲みは切り上げてリハへ。

 

 ライブについては、自分自身は本当に演奏しっぱなしで、オーディエンスは踊り狂いっぱなしなのでまともな写真がないのだが、唯一、<死>のセクションだけ自分で撮影するチャンスがあったので紹介しよう。

 お分かりいただけただろうか?(私には分からん。)ちなみに、ステージは会場中央にあったため、実際の規模はこの写真の5倍くらい。ううむ…西洋人恐るべし。

 

 演奏に集中していたこともあってあっという間に2時間がたち、ドリンクもフードも全くないままイベントは終了した。

 やっと落ち着いて飲めますね、ということで友人とパブにて打ち上げ。うまい。

 その日は一人友人が(疲弊して)帰ってしまったので、翌日土曜日に改めて打ち上げ。

 牡蠣と白ワインで優勝。学校を自由に休んでいい無職のワーホリ民という立場を悪用し、ことあるごとに牡蠣を食している。もし当たっても家に篭ればいいからね。(日本で当たったときは死にかけたが)

 はしご酒で比較的規模の大きなパブへ。こっちの暖房器具の下で飲むのがマイブーム。ガス灯とストーブの暖かさにほっこりしながらキンキンのビールをいただく感覚は、日本で言うコタツでアイスに近いと思う。

 ハロウィンが終わったかと思えば街は瞬く間にクリスマスに鞍替えして、ゴールウェイの中央広場にもいつの間にかクリスマスマーケット用の骨組みが出来上がっていた。一晩で法隆寺建てられちゃう並のスピード感である。クリスマスマーケットレポもお楽しみに。

 

 日曜日、家で顔を合わせたルームメイトに聞かれた。「ライブはどんな雰囲気だったの?」と。羊は申した。「私にもわからん。」「本当に申し訳ない。」と。動画を見せてみたが、案の定彼女の顔にも??????????が浮かんでいた。ルームメイトの担任の先生が今回のイベントの主催者だからして余計にややこしい。

 

 そんなこんなで大きなイベントが一つ終わり、これからはまた日常編に戻って次の満月の日まで待つこととする。エアスクエア周辺は少しポートアイランド感があるかもしれない。(火土に怪しいおっちゃんいそう)

 

 気づけばもう11月。寒くなってくる時期なのでみなさん毎日ご安全に!