アイルランドワーホリ日記(2022~2023) ~ニート羊は英語で話す夢を見るか?~

我、古今東西の酒を愛する日本羊なり!ワーホリにかこつけてアイルランドでビール三昧。語学学習...?知らない言葉メェねえ。

「身一つになる」のも意外と…

大変だな、という話。

不良品回収業界に思いをはせてみた。

 

 9/9(金)からの渡航を控えて、今の家を濁さず退去すべく、不要な物をひたすら詰めては捨てを繰り返しているはずなのだが、部屋の中のモノたちがなかなか減らない。

 

 漫画や本はすべてPDF自炊業者に引き渡したし、CDは大型リサイクルショップに売る手続きを済ませたし、服はこれまでマメに捨ててきたし、明日にはPCを専門のリサイクル業者に送ってしまう予定だ。これでかなり景色も変わるだろう、と思ったが意外とそうでもない。感慨も実感も湧かないからモチベも上がらない。

 

 一応、最終日に不良品回収を申し込んでいるから、捨て漏れがあってもそこで持って行ってもらえば良いが…。ともかく、いろいろなサービスや人の手を借りてやっと身一つになれるという状態だ。今ならミニマリストの気持ちがわかる気がする。彼らは有象無象のモノに興味がないだとか、本質的なモノの価値を追い求めているとか、そんな大義を持っているわけではなくて、きっと極度のものぐさで、モノを捨てるこの面倒くささを人生で味わったことのある人たちなのだ、と思った。

 

 手間もそうだが、何より驚いたのは、モノを捨てるという行為にまとまった金銭がいるという点だ。粗大ごみ回収も塵積も論理で1Rの本棚・食器棚・ラック・ケースなんかを全部出そうとするとコンビニで券を買うのが億劫な値段になる。そこで今回は不良品回収業者に依頼する決断をした。

 

 ネットの海から怪しげな業者のサイトをぐるぐるサーフィンし、釣り糸用のまとめ記事で業者同士がアツい同業下げ争いをしている様を眺め、官公庁からの悪徳業者に依頼しないでという警告を横目に見ながら、母体になる会社の沿革や資本金、他の展開業態などを見て比較的マシそうな(法的に殴ったら少しは痛いと思ってくれそうな)企業を選定した。もうこの時点でぐったりである。

 

 どこの業者も同じようなサービス形態だったのだが、〇トントラック載せ放題でXX万円という謳い文句。運び出し量によってトラックのサイズが変わり、一人暮らしであれば最安の軽トラか、その一つ上の2tトラック程度が目安になる。WEBから申し込めば1万円引きという期間限定(=ずっとやってる)サービスも展開中だった。

 

 回収可能な品目に目を通し、後からの相見積もりも視野に入れ、無料の出張見積もりを申し込んだ。インフラがガワだけしっかりしている系の怪しい企業WEBサイトだったが、競合他社も軒並み同じ具合なので、分かっても「避けらんねえ!」点が歯がゆい。 恐る恐る電話してみると、載せ放題なら定額だからと、引取日当日のその場見積もりを提案された。規模的に軽トラか1tか迷っていて…という理由を付けて回避したものの明らかに雲行きが怪しい。結局8月の最終週当たりで下見がてら見積もりだけいただくお願いをした。

 

 当日は、愛想の良い青年が訪ねてきた。こういう運び出し系の仕事は強面でぶっきらぼうな兄ちゃん系のほうが意外としっかり対応してくれる(引っ越し3回経験者)ので少し不安になる。が、受け答えがよく確認もテキパキとしていたため印象は悪くなかった。軽トラはやはり無理なので2tトラックですね、というコースの説明までは想定内だったが、次の瞬間衝撃的な言葉を耳にする。

 

―家電系は、載せ放題には含まれないので、モノによって別途料金が発生しますね。―

 

 …マジか。

 

 私メェの場合は、白物家電3点+小型家電が数点で、載せ放題コースに+2~3万程度の上乗せとのこと。ちょい待て、WEBサイトにでかでかと冷蔵庫回収可!と乗っているのに、それはパックに含まれないのか…?さすがにそれは誤認要素だよね??この時点で区のリサイクル委託サービスや他業者ともやはり相見積もりが必要だと確信し、載せ放題の料金とは別に家電系の見積もりを細かくいただいて、その場は終了した。

 

 驚きゆえに、景表法違反で消費者庁にチクろうか本気で悩む案件だったが、家電ごとの見積もり価格を調べたところ、区が推奨しているリサイクルセンターとほぼトントン。運び出しが含まれていて、さらに他のゴミも一緒に持って行ってくれると思えば悪くはない値段だったので、この辺りはちゃんと適正にやっているようだ。家電リサイクル法対象外の機器も別費用を取られるのは謎だが、粗大ごみで出しても同じくらいするから大して気にしないことにした。ちなみに区の推奨サービスは運び出しをしてくれないため、洗濯機やらを自力で集合住宅の前まで持っていく必要がある。家電リサイクル法地方自治体の対応が絶妙にマッチして、こういった業者が儲かる仕組みなのだなあと感心した。

 

 なんだかんだ今回は事前に見積もりをもらえたので、数万増えることの心構えができたが、電話で進められた通り当日見積もりにしていたら相当揉めたと思うし、実際それで騙されたと感じた人も多いのではないだろうか。値段が適正だったとしてもあくどいと感じる。

 

 後日、見積もりのコース側がキャンペーン値引きされていないことに気づき担当者に確認。あなたの荷物は2tトラックでもギリギリだから~とか、見積もり申し込みの時に言ってもらえないと~など、あまり納得できない理由だったが、勉強代ということにして許容した。当日が楽しみのような恐ろしいような。WEBサイトのスクショだけ念のためいただいておいた。

 

 モノを捨てることがここまで大変だとは…。皆さんも何かモノを増やすときはご安全に!