アイルランドワーホリ日記(2022~2023) ~ニート羊は英語で話す夢を見るか?~

我、古今東西の酒を愛する日本羊なり!ワーホリにかこつけてアイルランドでビール三昧。語学学習...?知らない言葉メェねえ。

枕投げできるね

 私メェの割には早起きしたよな、と思っても、日本はすでに夕刻で調子が狂う。時差ってすごいなあ。

 

 昨日の正午12時ごろ、飛行機がダブリン空港に到着した。入国審査は、EU圏内出身の人(英国も含まれるらしい)か、そうでない人かによってゲートが分かれていて、当たり前だけれどNon-Europeの人の方が審査が長くなる傾向にある。私メェが審査室に辿り着いた頃にはすでに長蛇の列ができていて、審査の番が回ってくるまで30分程かかった。アジア人は極端に少なかったように思えた。5つほど折り返していた列の1列前には日本の黒いパスポートを持ったスーツの女性がいた。私メェが言うのもなんだが、何しに行くんだろうか…。

 

 入国審査は当然英語なので、人生でいろいろな面接を受けてきたときとは少し違う緊張がある。手元に必要そうな書類を一式用意して、初めは How are you? って聞かれるから、 I`m fine, thank you. って答えるんだぞ(前回旅行に行った時そうだった)と心に念じながら審査員のボックスへ向かった。

 

 審査員は強面の不機嫌そうなおじさんだが、私メェは感じた、これはきっと当たりだと。見た目がいかにもな人の方が実は優しい、は人生で覚えておいて損のないライフハックだ。恐る恐る Hello... と挨拶すると、 Hello. Plese your passport. 的なことを言われてパスポートを手渡した。そのあとマスクを下げてまずは本人確認。ここからは、今後ワーホリを検討中の方にわかりやすいよう、箇条書きにして書くこととする。(質問側の英語は聞き取れないところが多々だったので、まあこんな感じという参考程度でお願いします。答えは実際にこちらが発言した原文ママ。)

 

・Why do you stay in Ireland? ー滞在目的は何か?

 →Learning English with the working holiday program.

 (オーケーオーケーグッドグッド!みたいな反応をされた)

 

・How long will you stay? ーどのくらい滞在するか?

 →About one year.

 (フォーワンイヤ?と聞き返されたのでイエスエスと言っておいた)

 

・Show me your visa certificate.ービザある?

 →Here you are. *ワーホリビザを差し出す

 (オッケーグッドバイ!みたいなことを言われたのでサンキュー!と返した)

 

 …え?私メェの審査これだけ?(ドン引き顔)

 

 エージェントさんからもらった旅の栞には、ビザ以外にも保険証とか、残高証明とか、学校の入学証明書とか、残高証明書を持っておいた方がいいですよ、と書いてあったので、重要書類一式をファイリングして機内に持ち込んでいたのだが、今回はワーホリビザ(A4パウチ)だけで済んでしまった。質問も、最低でも滞在先は聞かれると思っていたのだが熱くスルー。日本のパスポートがすごいのか、ワーホリビザがすごいのかは判別できないが、とりあえず一人で乗り込むだけなら中学生レベルの英語力があればいいということらしい。語学力が心配で留学やワーホリを悩んでいる方はぜひ私メェに続いてほしい。

 

 空港を出て、自分のスーツケースを見つけ出し、外のバス乗り場へ向かう。空港からゴールウェイ(日本で言う大阪ポジ)に向かうバスは日本からネットで購入済みだ。便利な世の中になったものである。しかし、その際、某カード会社の不正利用検知に引っかかり、復活するまでに死ぬほど手続きが面倒だったのはまた別の話。空港内にはギネスをはじめとしたお酒を飲めるバーが併設されていて、せっかくアイルランドの土を踏んだのだしいっぱいひっかけるか…?と心が揺さぶられたが、これからまたバス移動だしな…と思い直して我慢我慢。乗車したバスにはトイレがついていなかったので、結果的には英断となった。

 

 高速バスは二階建てになっていて、運転席の真上の席はガラス一面に景色を望むことのできる最高の席だった。ロマンスカーの展望席の一番前、ゆりかもめの先頭を思い浮かべてもらえればと思う。が、しかし、ちゃんと舗装されている高速道路を走っているにもかかわらず、バスが信じられないくらい縦揺れする。マリカーのコースかここは。正直、3.11にバスの中で被災した時のことを思い出してしまうほどだった。それと、日本に2つ?しか存在しないとされているランナバウトにも飽きるほどお目にかかれる。これ、自動車学校でやったやつだ!と興奮。ちなみに楽しみにしていた羊は1時間ほどしたら見飽きた。

 

 ゴールウェイの駅からはタクシーでホームステイ先まで移動した。タクシーの運ちゃんは全く英語が喋れない私メェを見て、とんでもないやつを拾っちまった…と態度に出ていたが、なんだかんだ最後まで世話を焼いてくれた。ありがとう。タクシーが止まったらすぐにホストファザーが迎えにきてくれ、制限ギリギリの25kgスーツケースを2階の部屋へ運び込んでくれた。ここが君の部屋だよ、と簡単に紹介され、ファザーと二人で中に入る。

 

 そこで私メェが目にしたのは、2つの枕が並んだダブルベッドだった。え、部屋間違えてない??日本のホテルだって一人でダブルは使ったことないぜ〜〜??呆気に取られているうちにお茶に招待され、レモン入りグリーンティ(向こうではメジャーらしい)をいただく。日本人に気を遣ってくれた様子が伺えたが、もうこれは緑茶ではない。レモンティーだ。こちらからはイチローモルトと、お湯を注ぐだけでいろんな汁になる最中(とある送別会で向こうのファミリーとぜひ、といただいたもの。ありがとうございます!)をお土産としてプレゼントした。ファザーはウィスキー好きだったらしく、モルトは喜んでいただけた。最中はマザーが帰ってきてから開けよう、という話に。マザーは今ヨーロッパ周遊中で帰ってくるのは月曜日とのこと。マジかよ。

 

 ステイ先はとても丁寧な暮らしをしている老夫婦の家で、庭には家庭菜園がありトマトやパプリカが採れるのだそうだ。パンも自分達で作っているとの話だった(流石に小麦は市販品)。ベテランのホストという前情報に違わず、学生に対して優しくフレンドリーに接してくれる。日本人を世話したことがあるのかはまだ聞いていないが、一緒に話す時間と、プライベートな時間、どちらもうまく尊重してくれるのですでに居心地が最高に良い。一年住ませて。学校が始まったら、友達と飲みに行ったりもするだろうから、うちのことは気にせずに、どんどん外に出た方がいいよ、とアドバイスもしてくれた。家には昔の家族たち(息子娘やその孫たち)も定期的に遊びに来ているそうで、この日もダイニングで軽く挨拶をすることがあった。今はあまり英語が喋れないから遠慮してすぐ外してしまったが、いつかは彼らや小さな子供たちとも楽しく過ごせるといいなと思う。ファーザーの作ったチキンのパン粉焼きはクリーミーでとても美味しかった。日本でアイリッシュ料理店開けるかな?とファーザーは戯けながら笑っていた。

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 夕食の後シャワーを浴びたら疲れがどっと出て、2030なのにまだ明るい外の景色を最後に眺めてからブラインドをおろし、問題のダブルベッドに上がった。どっちの枕を使おうか…と思案していると、なんと2つの柄枕の下から、無地の枕がもう2つ…!?!?来るぞ遊馬…!!!!もし幽霊がいたら一緒に枕投げしようね、と思いながら横になったが、霊感ゼロの私メェの前に現れるはずもなく、気づいたら朝になっていた。今夜は違う枕を使ってみようかな。