アイルランドワーホリ日記(2022~2023) ~ニート羊は英語で話す夢を見るか?~

我、古今東西の酒を愛する日本羊なり!ワーホリにかこつけてアイルランドでビール三昧。語学学習...?知らない言葉メェねえ。

碁は1人では打てんのじゃ

 2人揃って初めて…神の一手に一歩近づく。

(*今回はアイルランド要素薄め、囲碁とオタク要素高めでお送りします。ご容赦ください。)

 毎週水曜日の20時からは、地元のパブで囲碁クラブの活動がある。活動といっても、基本は酒飲んで喋りながら打つだけ!参加費ナシ、出欠自由のゆるゆるサークルだ。

 

 一つ前の記事に書いた通り、アイルランド渡航してから、学校やパブには通うものの、話せる友達や仲間があまり見つからず難儀していた頃。そういえば初心者に毛が生えた程度には囲碁が打てることを思い出し、もしかしたらアイルランドにも碁打ちがいるのではないか?と思い立ち、ネットで検索。Irish Go Associationという囲碁連盟サイトを発掘し、ゴールウェイで活動をしているクラブの代表者に連絡をとってみた。街中のパブでやってるからおいで!と返信をいただき、以来、毎週水曜日は囲碁打ち(飲み)会だ。

 パブでは特に決まりがあるわけではなく、それぞれが持ち寄った囲碁セット(碁盤とか碁石とか)を勝手にテーブルに広げて楽しむだけ!場所代はかからないので、各々好きな飲み物を買ってきて飲みながら。日本ではいろんな意味で考えられない光景なのだが、ここはアイルランドなので何でもアリだ。(素晴らしい)

 

 リーダーは三段、もう一人段に近いレベルの級位者の人がいて、それ以外の級位者は大体同じくらいの腕前。レベルが違う人同士は置き石(ハンデ)を使う。とても気になるのは、段は"Dan"、級は"Kyu"、コウは"Kou"と日本語読みなのだが、それ以外は基本英語に翻訳されていることだ。目は"eye"なのは良いとして、二眼は"two eyes"。君ら二目はなんて言うねん。

 

 オシ、ブツカリ、(ときどき)ハイ、(たまに)デなんかは"push"扱い。途中で翻訳が面倒になったのだろうか…。殺すは"kill"、生きるは"alive"、死ぬは"death/dead"。"I try to kill you!"とか宣言されると結構怖い。個人的には連絡の"connect"が何だか落ち着く。負けましたは"I give up"。ありません、も訳してほしい羊心(羊は負けました派)。ちなみに中押負けを宣言するととても驚かれる。(とりあえず最後まで打ちたい!という人が多いみたい。)最後に整地するとき、英語でカウントしないといけないのが結構しんどかったり。

 

 人差し指と中指で碁石を掴んでパチ!っと打つのは、趣味程度の人の中ではあまりメジャーではないらしく、人差し指と親指て掴んでコトン、と置く人が多い。そのためよく石がズレる。形式なんてどうでもいいから楽しく打とうぜ!という和気藹々とした雰囲気がとても良き。ギネスもあるしな!

 

 実力が同じくらいの人と打ったあと、お互いにスレスレの接戦でどっと疲れた後、君と打つのはとても楽しい!と嬉しい言葉をいただいた。級位者の中には突拍子もない打ち方をする人も多く、手拍子の人とか、ハメ手みたいなことをしてくるタイプは好きじゃない、とのことで、羊もこれには完全同意(共感?)した。なら我らはライバルだね!と返事を返したところライバルの響きがすごく気に入った模様。アイリッシュと日本人の好敵手がパブで爆誕したのであった。次も楽しみだ。

 

 まさかアイルランド囲碁を打っているなんて、10年前の羊は考えられただろうか…。もともとヒカルの碁の大ファンで、ブームになっていた頃は近くに子供が(遊びで)通えるような教室がなく、もちろん周りに嗜む人なんておらず、win97くらいのPCに入っていた囲碁ソフトでの独学は挫折した。

 

 遥かな時を超え、今から6年前くらいに中央・総武線ユーザーになったとき、秋葉方面へ向かう電車の中で今の家から市ヶ谷へのアクセスが抜群にいいことに気がついた。あれ…今なら囲碁習えるんじゃね…?と思い立って、総本山である日本棋院囲碁教室に通ってみることに。(判断が早い!)

 

 アニメのヒカルの碁のOP2では、ヒカルの通院(?)シーンが描かれており、東京メトロ市ヶ谷駅から日本棋院までの道のりが描写されている。会社帰りの羊が使うのもメトロ!ということで毎週聖地巡礼でウッキウキである。ただ一つ腑に落ちないのは、最後にある棋院前の坂道。実際の角度がかなりエグい。

テレビアニメ「ヒカルの碁」のオープニング映像から抜粋

 赤い線くらいの角度はある気がする。ただでさえメトロの階段も相当段数があってヤバいのに、最後の坂もそのまま走って登り切るとは…中学生男子恐るべし。もちろん再現なんてできるわけがない。市ヶ谷に立ち寄った際はぜひ皆さんもお試しあれ。

 

 当時は井山本因坊が7冠を誇っていた時代で、棋院の中にも応援グッズがたくさん飾ってあったことを覚えている。💕井山7冠💕(圧が強い)みたいな文字の書いてあるうちわなどの小道具が用意されたフォトスポットがあったりしたのだが、棋院に通った数ヶ月間、ついぞ写真を撮る人の姿を拝む日は訪れなかった。ネタとして記念にとっておくべきだっただろうかとちょっと後悔。

 

 月曜夜の初心者コース→水曜夜の級位者コースと3〜4ヶ月ほど渡り歩いたのだが、残念ながら当時は友人ができなかった。70歳オーバー当たり前の世界だったので、20代半ばの青い羊にはちと辛かったのだ。いくつか碁会所も巡ってみたのだが結果は変わらず。ちょうど会社生活で一番激務だった時期が到来したこともあり、ネット碁で困らないくらいには打てるようになったしな、と教室からは一旦抜けることにしたのであった。(鈴木プロ、その節は本当にお世話になりました。こんなブログ一生見ないと思うけども。笑)以降、対人戦をする機会はほとんどなくなって、本日の表題である、桑原本因坊の名言が違う意味で胸に刺さった。

 

 タイトル戦なんかをyoutubeで見ながらも、囲碁をやることはもうないかな〜と思っていた矢先のアイルランド往き。ヒカルの碁の国際アマ大会のやつで外人さんが打ってるところを観たぞ!!と本当にひょんな思いつきだったのだが、まさかのビンゴで、毎週打ちながら飲める仲間やライバルが見つかった。リーダーはアマのアイルランド代表らしく、この間はヨーロッパ選手権のアマ団体戦に出たんだとか。ヒョエ〜!世界広すぎメェ…!

 

 人生どんな経験がどう役立つかわからんな〜と改めて感じる次第。羊はまだまだ(中途半端に)隠し持っている趣味がいくつかあるので、アイルランドでそれらがどこまで活きるのか、ある意味楽しみではある。(例外として、渡航中はマスデュにだけは手を出さないと決めているので、皆さんこれからも応援よろしくお願いします!!!)

 

 明日は華金!後一日、頑張っていきまっしょい!ご安全に!